作品
ここは濃密な大気の空間、離れた物体は急速に小さく見え、影は青色に輝く
デフォルメは特殊なものではない。三次元のリンゴを充分離れた一点から見て二次元のキャンバスに写すことのみが正当な絵というわけではない。触れるほど近づいて見るとリンゴは大きく変形して見える。 視点を移動しながらそれを描けばいかようにもデフォルメされたリンゴが描ける。 セザンヌのリンゴの絵は充分離れた複数の視点から描かれたものでいわゆるデフォルメされた絵と見なされない。 「ティータイム」はオッパイに近い視点を採り入れたデフォルメ絵画で、私はこれを「オッパイ遠近法」と名づけた。

《午睡》 6号
夢みよ、そして眠りから覚めて食せよ
対象物をそのまま写し取るのなら写真が一瞬にして正確にそれを実現してくれる。 そのため絵画において対象物をできるだけ正確に再現することはカメラの発明以来あまり意味の無い作業になった。写実が無意味であるという危機感に対応する最も有効な方法は対象物をデフォルメして描くことであろう。デフォルメは日常無意識下にある感情を自由に発散させる道具になる。ピカソは、そのことを強く認識していたと思われる。 「午睡」はデフォルメを意識して描いた最初の私の作品である。

