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| ■作家紹介 |

| THE MORNING---KIND OF TWENTY ONE |
【 朝 】 |
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1987年作 |
朝は一瞬にして表情を変えてしまう。
空は見る見るうちに色づき金色に輝く瞬間を迎え、そして醒めてゆくように
退屈な青空に変わってゆく。この事がもう何億年も続いている。
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鳥は一瞬にして飛び立って行く。
もう少し近くで見ようと一歩踏み
込むと、後は後悔だけの私がそこに
一人ぽつんと残されているのだ。
自然の音だけが重なり合って
私の心を通り過ぎてゆく・・・。
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明けゆく時 20号 |
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植物は一瞬の生命だ。
いい形をしていたのでそっと持ち帰る車の中で、もう果てている。
土に返し、また種となり、芽が出て葉となり花となる。
この事が終わり無く続いている。
林の中に何があるのだろうか。
風が出ると林は騒ぐ。予感を孕んで林は動く。
林の中で小鳥が眠る。林は重たげに、少し揺れている。
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私は、私は一瞬だ。
草や花や鳥と同じく宇宙から見れば
点にもならない一生を、あっと言う間に終る。
あっと言う間の一生が何億年も続いている
景色を一枚の絵に残す。
が、この絵もまた、一枚の葉なのだ。
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撮影 小山穂太郎
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遠い遠い遠い未来、私の絵が掘り出された時、其処には同じ風景が続いて
いるだろう。同じ朝が訪れているだろう。 |
千住 博
1987年 千住博 新作展 -21の[朝]-カタログより
於:薔薇画廊
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1989年 千住博展より |
「風・水・光」
楽園の果てに私が到達した境地は「虚」の世界観であった。
その過程で、モネのジベルニーのシリーズは私に多大の
示唆を与えてくれた。
モネはその晩年、虚・実の境をゆらぎながら
物質世界から精神世界へ移入をきわめて
勇壮に試みたが、果たして成功したのだろうか。
私には今回の展覧会に於いて
精神世界の景観を表出する事がテーマである。
千住 博
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21世紀の美術に挑む
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千住博先生の「風・水・光」を主題にした今回の連作は最近の仕事を総括
する意味を持つ一つの節目になる展示でございます。作家の言葉にもありま
すようにモネのジャポニズムに新しい光をあてると同時に環境汚染の進んで
いる現代文明への警鐘をも含めて、その上に日本の伝統美をも見直そうとい
う、極めて野心に富んだ連作でございます。
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国際間の交流が進むにつれ、外国に取材した作品の多いこの頃ですが、
真に国際人としての視野から21世紀の美術を目標においた作家として、私は
千住博先生を強く推します。何ものにも捉われない自由の精神と批判力、絵
画することと行動することが一体となっている作家、旧来の殻を勇敢に打ち破
っていく創造力、外国での制作も伸び伸びとしてスケールの大きい点、将来性
に目を向ければこれほど楽しみな作家はないと思います。
正確な文明批評の眼をもって捉えた世界は、従来の心象風景といった領域を
飛びこえた、現代人の奥深い心の中にある内面風景といえるものではないか
と思います。・・・・・後略・・・・・ 1989年
薔薇画廊 安田順江
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千住博先生は20歳代から既に、異彩を放っていたアーチストでした。
新しい時代のスターの耀きを持って登場したのです。
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■略 歴
1958年 東京生まれ 1982年 東京芸術大学美術学部日本画専攻卒業
1987年 東京芸術大学大学院博士課程修了
1987年 薔薇画廊にて個展
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1994年 第4回けんぶち絵本大賞受賞
第7回MOA美術館岡田茂吉賞絵画部門優秀賞受賞
1995年 第46回ベネチア・ビエンナーレ絵画部門優秀賞受賞
山種美術館が初期の「ビルシリーズ」から最新作「ウォーターフォー
ル」までの約30点を買い上げ
「千住博画集」刊行
1998年 大徳寺聚光院襖絵の制作に着手
2000年 「西洋の眼・21世紀の絵画」展にて河北倫明賞受賞
2002年 第13回MOA美術館岡田茂吉賞絵画部門大賞
2003年 グランドハイアット東京の壁画制作
2004年 羽田空港第2ターミナルのアートディレクターを務める
2006年 日本橋高島屋個展 |
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