薔薇画廊
画廊案内
薔薇画廊のこだわり
館内案内
作家紹介
アクセス
スタッフ募集
イベント情報
新人作家コンクール
展覧会情報
貸しスペース
貸しスペースのご案内
読みもの
薔薇の肖像
つれづれ草


(株)薔薇画廊
〒104-0061
中央区銀座7-2-4
松尾ビル2階


tel:03-3573-0783
fax:03-3573-0784
info@baragaro.com
■つれづれ草
            【福井 良之助先生】

 ふるさと                     

 子供時分、夏休みになると「僕は田舎に帰るんだ」という子がいて、その子が

羨ましく、なんで僕には田舎がないんだろうと思ったものだ。


 生まれは日本橋のゴミゴミしたど真ん中で、おやじのやっていた店は今は昭和

通になってしまって車がブンブン走っている。


下町の粋な格子造りの間口に

“丸一”とかなんとか紺の染め分けの

暖簾があって、自転車が沢山置いて

あったこととか、水天宮の傍らの三好

家というあんみつ屋があって粋筋の

おねえさん達が来ていて、おふくろも

夜寂しいと内緒で汁粉をたべたり、

おやじが十五、六人の半玉達を連れ

てワイワイ騒いだりした話を聞いてい

たので、三好家は子供心にも楽しい

ところでもあった。



 時代が変わり、少年期は戦争戦争であった。

 第二のふるさとといえば疎開先の一ノ関である。雪が燦々と降る明るい日の暖

ったかい雪だとか、風がビューと鳴り、粉雪が舞う夕暮れの冷たく淋しい雪だと

か、雪を通じて人間を想い出したりもした。


 結論において自分が今、在る、という場所がたとえそれが何処であっても、ふ

るさとであるということである。ということは、ふるさとはいつも自分自身の心の中

に自由に生きているということである。

                                    出身地/東京都


つれづれ草トップへ   前を読む  次を読む