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| ■つれづれ草 |
【中山 忠彦先生】
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遠い風景 
少年の頃を過ごした村には、数百年に亘って継承されてきた郷土芸能の
人形浄瑠璃があった。時の流れの中で盛衰を重ねながら、今では「万年願」
の行事として毎年二月四日に氏神に奉納されて保存されている。
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〜中略〜
意味は判らなくとも、哀調帯びた浄瑠璃の声音と、遣い手の動きのままに演
じる人形に子供なりの感情移入もあったのだろう。
頭(かしら)の表情が乏しいだけに、却って深く内に秘められた悲しみや歓びが
所作に籠められて生きてくる。それが衣装の色と動きに連なって、人形達と同
じ場を共有した様な気持ちになった事を覚えている。
願いと祈りの心が形を得て受け継がれた行事もいつしか形だけのものに移り
変わって、今は「文化財」として保護の対象になってしまった。
失われていくものの後姿に、記憶の色を幾重にも重ねあわせて、私の中で
は、すでに遠い残照になっている様である。
出身地/大分県
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